取り組み

デザイン思考手法

デザイン思考とは、スタンフォード大学 D.Schoolで開発された人間中心のアプローチで問題解決や新しい価値の創造を目指す方法論です。

主に以下のプロセスから構成されます。

1. 共感 (Empathize): 観察やインタビューを通してユーザーや関係者の潜在ニーズ、環境、感情を深く理解します。
2. 問題定義 (Define): 共感の結果から、解決すべき課題を明確にし、問題の本質を捉えます。
3. 発想 (Ideate): 問題の本質を 多様な視点から自由にアイデアを出し合い、可能な解決策を考えます。
4. 試作 (Prototype): アイデアを具体的な形にします。 形状プロトタイプ、機能プロトタイプ等々、様々な試作品やモデルを作成して実際にユーザーに提供して検証します。
5. テスト (Test): 試作品を実際に使ってもらい、フィードバックを得ることで、さらなる改善点を見つけます。

これらのプロセスを、何度も繰り返し 行き来しながら最適な解決策を探るのが特徴です。
デザイン思考は、企業の製品開発、サービス設計、社会課題の解決など、さまざまな分野で活用されています。

エスノロジー手法

エスノロジー解析手法は、課題抽出の際にとてもパワフルなツールです。

課題解析をするユーザーの実際の行動、その背景、環境を徹底的にモニター、ヒアリングします。
行動それぞれの背景を正しく把握することで課題の本質を極めていきます。

デザイン思考で創造されたプロトタイプ（試作品）をユーザーに提供し、実際にユーザーがその試作品を手にしてどの用に使うかを観察します。
その行動の理由や背景を追求していくことで、課題の隠れた本質を見出していきます。

ユーザー本人が気づいていない潜在課題の抽出にも有効なツールです。

ラピッドプロトタイピング

ラピッドプロトタイピングはデザイン思考に於いてとても強力なツールです。

従来の試作品は、とことん仕様を詰めていった上で、完成品に近いプロトタイプ（試作品）をつくって、仕様の確認を行うものでした。

ラピッドプロトタイピングでは、徹底的にコスト、時間をかけません。
露呈した課題を解決するために仮説を検証するために簡単なプロトタイプを創ります。

1. CEP：Critical Experience Prototype
　感覚的に体験することでコンセプトを検証するためのプロトタイプで、時には段ボールの実物大の模型だったりします。
完全な機能よりも、体験としての「雰囲気」や「流れ」を再現して検証します。

2. CFP：Critical Function Prototype
　コンセプトの機能を実際に体験して検証するために、機能するプロトタイプです。　機能を優先するために他の補助的な機能は簡略化または省略し、裏にパソコンがつながっていたり、ディスプレーの代わりにプロジェクターが使われたりしますが、ユーザーは実現する機能を体験することができます。

3. DHP：Dark Horse Prototype
　ちょっとぶっ飛んだアイデア、ソリューションを元にプロトタイプを創ってみます。
革新的または予想外のコンセプトを試すもので 初期の検討段階で、アイデアが突飛すぎてボツになったものなどを実際に体験して、新たな気づきにつながります。
従来の解決策に固執せず、新たな可能性や意外な効果を見出すための実験的な試みです。

4. FKP：FunKtional Prototype
機能性と同時に、遊び心や創造性、エンターテインメント性を兼ね備えた要素を検証するためのプロトタイプです。

5. FCP：Functional Prototype
製品やサービスの基本的な機能が実際に動作するかを実証するプロトタイプです。
主要機能を含む全体のシステムを、最低限の完成度で実装されたプロトタイプです。
ユーザビリティテストや初期のフィードバック収集のために使用され、技術的な実現可能性を確認できます。

6. XFP：X-is-Finished Prototype
コアとなる機能や要素が、完成度の高い状態になっていることを示すプロトタイプで、全体の方向性や設計思想が正しいかどうかを検証するためのプロトタイプです。

7. VFP：Validated Final Prototype
これまでの検証やユーザーテストを経て、全体の設計や機能が最終的な形に近づいた状態のプロトタイプです。